白ナンバーの社用車にもアルコールチェックと記録の1年保存が義務化されています。対象となる事業所の条件、記録簿に残す8つの項目、検知器の維持と直行直帰時の運用、続けるための車両管理表との一体運用まで、神奈川・二宮の整備工場が分かりやすく整理します。
「アルコールチェックの記録簿、結局どう書けばいいのか」「白ナンバーのうちの会社も対象なのか」。社用車を持つ会社のご担当者から、近年よくいただく質問です。先に全体像を書くと、緑ナンバー(運送業など)だけでなく、一定台数以上の白ナンバー車を使う事業所にも、運転前後の酒気帯び確認・記録の作成・1年間の保存が義務化されています。 さらに、確認にはアルコール検知器を使うことも求められています。この記事では、対象になる会社の条件、記録簿に残すべき項目、保存の方法、そして形骸化させずに続けるコツを順番に整理します。書き手の株式会社たまは、神奈川県二宮町の整備工場で、法人の社用車の整備・車検や車両管理の仕組みづくりも手がけています。
白ナンバーでも対象になる会社の条件
アルコールチェック義務の対象は「安全運転管理者を選任しなければならない事業所」です。安全運転管理者の選任が必要になるのは、一般に次のいずれかに当てはまる事業所(会社単位ではなく、営業所などの拠点単位で数えます)とされています。
- 乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用している
- その他の自動車(一般的な社用車・営業車)を5台以上使用している(自動二輪車は1台を0.5台として計算。原動機付自転車は含みません)
つまり、運送業でなくても、営業車やバンを5台使っていれば対象です。マイカーを業務で常時使わせている場合の数え方など、細かい判断はケースによるため、迷ったら管轄の警察署(公安委員会)に確認するのが確実です。なお、安全運転管理者の選任義務があるのに選任していない場合には罰則も定められているので、「そもそもうちは選任しているか」から確認することをおすすめします。
この義務化は道路交通法施行規則の改正によるもので、まず運転前後の目視等による確認と記録・保存が義務になり、その後アルコール検知器を用いた確認と検知器の常時有効な保持まで義務が広がりました。制度の細部は改正されることがあるため、最新の要件は警察庁・都道府県警察の案内で確認してください。
記録簿に残す項目:8つを押さえれば形式は自由
「専用の様式を買わないといけないのか」とよく聞かれますが、記録簿の形式は決まっていません。紙のノートでも、エクセルでも構いません。大事なのは中身で、一般に次の項目を記録するものとされています。
- 確認者名(安全運転管理者。補助者が行った場合はその者の名前)
- 運転者名
- 運転者の業務に係る自動車のナンバー(登録番号)など、車両を特定できる情報
- 確認の日時
- 確認の方法(アルコール検知器の使用の有無。対面でない場合は、電話など具体的な方法)
- 酒気帯びの有無
- 指示事項(酒気を帯びていた場合に運転させない等、どんな指示をしたか)
- その他必要な事項
ポイントは「運転前後の両方」を記録することと、対面確認が原則、ただし直行直帰などで対面が難しいときは、電話やカメラ越しに声や表情を確認しながら、携帯型の検知器で測ってもらう方法でもよい とされていることです。営業担当が客先に直行する日が多い会社ほど、この「対面できない日の運用」を先に決めておくと、記録が途切れません。
保存のルール:1年間・検知器は常時有効に
作成した記録は1年間の保存が求められています。紙のノートなら1冊終わっても捨てずに保管する、エクセルなら月ごとのシートやファイルを消さずに残す、というだけのことですが、担当者が代わったときに過去分の置き場所が分からなくなる、というのが実務でいちばん起きやすい事故です。保管場所を1か所に決めて、引き継ぎ資料に書いておきましょう。
また、アルコール検知器は常時有効に保持すること、つまり正常に動く状態を保つことも義務とされています。検知器は消耗品で、センサーには寿命(使用回数や使用期間の目安)があります。電源が入るか・破損がないかの日常確認に加え、メーカーが定める校正や買い替えの時期を、後述の車両管理の期限と同じ場所で管理しておくと切らしません。
続けるコツ:車両管理表と「同じ場所・同じ当番」で回す
アルコールチェックが形骸化する会社と定着する会社の差は、意外なほど単純で、既にある毎日の流れに乗せているかどうかです。鍵の受け渡しと同時に測る、朝礼の場所に検知器と記録簿を置く、など「専用の新しい仕事」にしないことが第一です。
そしてもうひとつが、車両管理表との一体運用です。アルコールチェック記録簿は「毎日書くもの」、車両管理表は「車検・点検・保険の期限や整備履歴を管理するもの」で別物ですが、担当者・保管場所・見直しのタイミングを同じにすると、どちらも続きます。検知器の校正時期や買い替え目安を車両管理表の期限欄に入れておけば、「気づいたら検知器が壊れていた」も防げます。車両管理表をこれから整える方は、作り方をまとめた記事(車両管理表をエクセルで作る方法)をどうぞ。
車両管理表を無料で始める(登録不要・ブラウザで動く)車検・点検・保険の期限を色分けで管理できる無料ツールです。検知器の校正時期などの覚え書きにも使えます。入力はお使いの端末にだけ保存されます。まとめます。白ナンバーでも5台以上(または定員11人以上1台以上)の拠点はアルコールチェックの対象で、記録は8項目・1年保存、検知器は常時有効に保つ。形式は自由なので、毎日の流れに乗る一番簡単な方法で始めて、車両管理表と同じ場所・同じ当番で回す。これが実務の答えです。株式会社たまは、神奈川県二宮町を中心に平塚・小田原・大磯エリアで、法人の社用車の整備・車検から車両管理の仕組みづくりまでお手伝いしています。「管理をきちんとしたいが手が回らない」という段階のご相談で構いません。サイトのお問い合わせフォームのほか、メール(tama.info.jp@gmail.com)でも受け付けています。
なお、本記事は制度の一般的な整理であり、個別の事業所が対象になるか・どんな運用が求められるかはケースによります。法令の正確な要件は、警察庁・都道府県警察の最新の案内をご確認ください。
よくある質問
Q. 白ナンバーの社用車でも、アルコールチェックは義務ですか?
A. 一般に、乗車定員11人以上の自動車を1台以上、またはその他の自動車を5台以上使用する事業所(拠点単位)は安全運転管理者の選任が必要で、その事業所では運転前後の酒気帯び確認、アルコール検知器の使用、記録の作成と1年間の保存が義務とされています。運送業(緑ナンバー)でなくても対象になります。
Q. アルコールチェックの記録簿には何を書けばいいですか?
A. 決まった様式はありませんが、一般に、確認者名・運転者名・車両のナンバー・確認の日時・確認方法(検知器使用の有無、非対面の場合はその方法)・酒気帯びの有無・指示事項・その他必要な事項を記録するものとされています。紙でもエクセルでも構いません。
Q. 記録はどのくらい保存すればいいですか?
A. 1年間の保存が求められています。紙・データのどちらでも構いませんが、保管場所を1か所に決めて、担当者が代わっても分かるようにしておくことが実務上のポイントです。あわせてアルコール検知器を正常に動く状態に保つことも義務とされています。
