42秒でわかるこの記事の要点(音声なし・テロップ付き)。運転の疲れが増える仕組みと、車側の原因、自分でできるチェック。
同じ道なのに前より運転が疲れる。体調や姿勢だけでなく、アライメントのズレ、タイヤ、ショックアブソーバー、足回りのガタといった車の状態が原因のこともあります。疲れが増える仕組みと、自分でできるチェック、整備で直せるポイントを整備工場が解説します。
前は平気だった距離なのに、最近は着くころには肩や腕が張っている。高速道路を1時間走っただけでぐったりする。運転の疲れは、睡眠不足や年齢、運転の慣れのせいにされがちです。もちろんそれも大きいのですが、整備工場で毎日車を見ていると、車の状態が疲れを増やしている例も少なくありません。しかも車側の原因は少しずつ進むので、乗っている本人は慣れてしまって気づきにくい。この記事では、運転がなぜ疲れるのかという仕組みから、車側の5つの原因、自分でできるチェック、整備で直せることまでを、神奈川県二宮町(小田原と平塚の間)の整備工場の立場でまとめます。
運転はなぜ疲れるのか。疲れの3つの元
運転中の体は、じっと座っているようで、実は休みなく働いています。疲れの元は大きく3つです。ひとつ目は、姿勢を保つ力。加速、減速、カーブのたびに体は揺さぶられ、それを腕、腰、脚の筋肉で支えています。ふたつ目は、ハンドルの小さな修正。まっすぐ走っているつもりでも、人は路面の傾きや風、わだちに合わせて、ほとんど意識せずに細かくハンドルを動かしています。三つ目は、揺れを体で受け止めること。段差やうねりのあとの車体の揺れを、体は無意識にこらえています。車の状態が悪いと、この3つがそれぞれ増えます。だから同じ道、同じ時間でも、前より疲れるということが起きます。

原因1 アライメントのズレ。ハンドルを押さえ続けている
もっとも気づきにくく、もっとも疲れに効いているのがアライメントのズレです。タイヤの向き(トー)や傾き(キャンバー、キャスター)が左右でずれると、車はどちらかへ流れようとします。運転者はそれを打ち消すために、ハンドルへ少しだけ力をかけ続け、そのうえで細かい修正を重ねています。一回一回の力はわずかでも、高速道路で1時間、2時間と続けば、腕と肩には確実に効いてきます。厄介なのは、ズレが少しずつ進むので、本人は「この車はこういうもの」と慣れてしまうことです。

ズレたタイヤは、転がりながら少しずつ横にこすられてもいます。進む方向とタイヤの向きに差があるので、その差の分だけ横すべりしながら走っているわけです。これが片減りの原因になり、転がり抵抗も増えます。そして、この横向きの力は、タイヤだけでなく足回りにもかかり続けます。

アライメント後に「足がよく動く」「疲れにくい」と感じる理由
当社でアライメントを調整したあと試乗すると、サスペンションが段差に対して素直に伸び縮みしているように感じることがよくあります。お客様からも「乗りやすくなった」「長く運転しても疲れにくくなった」と言われます。数値で測った効果ではなく、私たちとお客様の体感ですが、仕組みから考えると理由は説明できます。サスペンションのアームの付け根は、ゴムのブッシュで車体に取り付けられています。タイヤの向きがズレて横向きの力がかかり続けると、このゴムは片側に押しつけられたままになり、段差を越えるときのたわみ方が素直でなくなると考えています。向きが揃うと押しつけがなくなり、足回りが本来の動き方に戻る。そのうえ、ハンドルを押さえ続ける力と細かい修正も減る。この2つが重なって、乗りやすさと疲れ方の違いになっているのだと思います。

アライメントのズレの見つけ方は、平らな道でハンドルから手を軽く離すと片側に流れる、まっすぐ走っているのにハンドルが斜め、タイヤの片側だけが減っている、の3つです。詳しくは、ハンドルのセンターがずれる原因の記事と、タイヤの片減りの原因の記事で説明しています。
アライメントの料金と、ズレが車に何を起こすかを見る測って基準値内なら0円、調整は普通車 税込22,000円・軽 税込19,800円(測定とトー調整込み)。原因2 タイヤ。空気圧、摩耗、古さ
空気圧が下がったタイヤは、たわみが大きくなって車の反応がにぶくなり、ハンドルの修正が増えます。左右で空気圧が違えば流れの原因にもなります。摩耗や片減りが進んだタイヤ、年数がたって硬くなったタイヤは、路面のつかみが落ちるうえ、ロードノイズが増えます。音は見落とされがちですが、長時間の騒音は疲れにつながると一般に言われています。月に一度、運転席ドアの内側にあるラベルの値に空気圧を合わせるだけでも、違いが出ることがあります。

原因3 ショックアブソーバーの劣化。揺れが収まらない
ショックアブソーバーは、ばねの揺れを止める部品です。劣化すると、段差やうねりのあとに車体がふわふわと揺れ続け、運転者はその揺れを体でこらえることになります。車線変更やカーブで車体の傾きが大きくなり、落ち着かない感じも増えます。少しずつ悪くなるので気づきにくいのですが、段差を越えたあと揺れが1〜2回で収まらない、高速道路で車体が上下にふわふわする、ショックアブソーバーのまわりがオイルでにじんでいる、といった症状が目安です。

原因4 足回りのガタ。ハンドルの反応があいまい
サスペンションのブッシュやタイロッドエンド、ボールジョイントにガタが出ると、ハンドルを切ってから車が反応するまでに遅れやあいまいさが出ます。わだちや路面の継ぎ目でふらつき、運転者はそのたびに修正します。ガタがあると、アライメントを合わせても走ると角度が動いてしまうので、当社ではアライメントの測定の前にリフトで足回りを点検し、ガタがあれば先に交換の見積りをお出しします。
原因5 運転姿勢。これは自分で直せる
車の状態とは別に、シートとハンドルの位置が合っていないと、腕や脚に余計な力が入り続けます。一般的に言われる目安は、背もたれに肩をつけたままハンドルの一番上に手首が届く距離、ブレーキを奥まで踏み込んでも膝が軽く曲がっている位置です。背もたれを倒しすぎると腕が伸び、ハンドルを押さえる力が増えます。また、どれだけ車の状態が良くても、長時間の連続運転は疲れます。2時間に1回程度は休憩をとるのがよいと一般に言われています。

車のせいで疲れているかも、のチェック
次のうち当てはまるものがあれば、車の状態が疲れを増やしている可能性があります。いくつも当てはまるなら、一度点検を受ける価値があります。

まとめ。疲れを体のせいにする前に、車を見る
運転の疲れは体調や姿勢だけで決まるものではなく、アライメント、タイヤ、ショックアブソーバー、足回りのガタといった車の状態でも大きく変わります。どれも少しずつ悪くなるので、乗っている本人がいちばん気づきにくいのが難しいところです。株式会社たま(神奈川県二宮町(小田原と平塚の間)の認証工場)では、足回りの点検は無料、アライメントはJohn Bean製の測定機で4輪を測り、全項目が基準値内なら0円、ズレていれば普通車 税込22,000円・軽自動車 税込19,800円(測定とトー調整込み)で調整します。タイヤやショックアブソーバーの交換が必要な場合は、作業前に金額をお伝えします。長距離の前に、一度ご相談ください。
よくある質問
Q. 運転が前より疲れるようになりました。車が原因のこともありますか?
A. あります。アライメントのズレでハンドルを押さえ続けている、空気圧不足や摩耗したタイヤで修正が増えている、ショックアブソーバーの劣化で揺れをこらえている、足回りのガタでふらつく、といった車の状態は少しずつ進むので、本人は慣れて気づきにくいです。平らな道で片側に流れる、ハンドルが斜め、段差のあと揺れが続く、などがあれば点検をおすすめします。
Q. アライメント調整で運転の疲れは減りますか?
A. ズレが原因でハンドルを押さえ続けていた場合は、その力と細かい修正が減るので、疲れ方が変わることがあります。当社でも調整後に「乗りやすくなった」「疲れにくくなった」という声を多くいただきます。ただし数値で測った効果ではなく、体調や運転姿勢、タイヤの状態でも疲れ方は変わります。
Q. 長距離運転で疲れにくくするために、自分でできることは?
A. 空気圧を指定値に合わせる、シートとハンドルの位置を合わせる(背もたれに肩をつけたままハンドルの上に手首が届く距離が目安)、2時間に1回程度は休憩をとる、の3つです。それでも片側に流れる、ハンドルが斜め、といった症状があれば、アライメントや足回りの点検をおすすめします。
